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血の染み付いた手帳

しがない傭兵が偽りの島で過ごした日々の記録
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  • :03/29/02:05

10181316 【雑記】薔薇ワイン美味しゅうございました。

チキレ敗北しました。
やはり、チキレタイムに始めるのが間違いのようです。
最近、日記も書けず、ブログの更新もしていない状況。

ここいらで一旦、整理すべきでしょうか。


□59~60更新の雑感

次回、60更新で遺跡外に戻ります。
武器強化など装備強化枠を入手したいところ。

今回の戦闘はダメージが跳ね上がっており、余裕の勝利でした。

次回はマイケル伍号×3という組み合わせで、
戦闘前に退魔が連続して飛んできます。

MATがぼろぼろだ! しかし、傭兵には関係なかった。


□60~闘技大会

恐ろしい二人に捕まってしまいました。
か弱い傭兵の明日はいかに。


□技関係

地味に千斬りをマスターしましたが、
試すことができるのは遺跡外になりそうです。
もしくは、闘技大会第一戦か?

他に、オードブル・メインディッシュ・バッファローが、
マスター間近なのでPLがワクワクしています。

バッファローはすでにマスター済みなので、
彼/彼女の戦闘結果も、チェック、チェック。

技のマスターが進み、数も増えてきたので、
戦闘の幅が増えてきて楽しくなってきました。


□技能関係

迅雷風烈の為に覚えた風霊を先に消して、
美学を覚えて、麗剣にまっしぐら。

今後は上位枠も足りなくなってくるので、
他の上位を取るべきか、取らないべきか、

悩みそうです。


□アイテム関係

とてもじゃないけど、持ちきれません。

手持ちのアイテムは全て武器強化用か。

また、遺跡外で投売りすると思います。


□今後の展望

鐘の道が傭兵を呼んでいます。

あと、ブログ移転して整理したいです。
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06152239 Day43 -神風-

途中です。

   -ⅰ-

「ついてこれない度胸というものを教えてやる……」
 眼下の傭兵を見下ろして、エリザは宣告した。彼女こそは空の覇者――風の宝玉を
守る者。自由自在――風の力を身にまとい、空を翔け、敵を屠る。
 タマもちの傭兵――感じられる力は二つ。水と火の守護者は敗れたらしい。
 ――私はどうだ? このエリザを、破れるか?
 鼻で笑う――不遜な傭兵に、不可能という言葉を教えてやる。
「――消え去れ」
 冷徹にして残忍――このエリザは甘くない。
 上空からの突撃滑空――ツインテールを風になびかせ疾風怒濤。槍を構えた前傾姿
勢――ランサーの本分、戦列を切り開き、突破する屈指の突貫力。
 大気を切り裂いて、加速。狙うは傭兵の心の臓――勝負は一撃で決める。
「……」
 傭兵――ワイヤーを一閃。手近な岩に楔を撃ちこみ、空中姿勢を制御。迫り来るエ
リザの槍を見据え、寸前で体をひねる。紙一重の見切り。
「無駄な足掻きだッ!」
 狙いを外されたエリザ――激突する寸前で速度を殺し、大地にひらりと舞い降りる。
即座に地面を蹴り上げて方向転換――宙へと舞い戻り、再び突撃する。
「止められるものなら止めてみるがいいッ!!」
 吼えて飛翔――傭兵は空中で自在に動くことはできない。
 エリザが迫る――傭兵の表情に焦りの色はない。突きこまれた槍を、素手で打ち払
う。穂先が流れ、エリザ自身も反転――その勢いのままに放たれる蹴り。傭兵――逆
腕でブロック。その腕に重たい痺れ――風騎士の見た目に反したその強力。
「それで私を止めたつもりかぁぁッ!!」
 唸りをあげて石突が跳ね上がる。傭兵が手の痺れに気をとられた一瞬、腋の下へ突
きあげられる――腋を締めて、挟み受ける。
 傭兵に激痛――勢いを止めきれず、あばらを数本打ち砕かれた。
「ぐ……餞別だ」
 苦痛に耐え、脂汗を額に滲ませる傭兵――口の端に薄い笑み。
 槍を固定され、動きの止まった女騎士――怪訝な表情を浮かべる。
「……たっぷり、味わえ」
 傭兵は空いた手で白布の包みを取り出し、女騎士へと投擲した。
 空中で止め紐がほどけ、白い粉が宙を舞う。
 傭兵のオリジナルブレンド――幻覚作用のある数種のキノコ、薬草を乾燥させた粉
末の混合物。かつて、一個小隊を混乱の坩堝に落としいれ、同士討ちに追い込んだお
墨付きの“やばい”品。
「うおッ?!」
 広がる白塵にエリザが包まれる――傭兵は槍を解放し、地に墜ちる。
 地面を転がって衝撃を吸収――深く息をして、呼吸を整える。一呼吸するたびに、
鈍い痛みが繰り返す。先日の戦いの傷も癒えきってはいない。可能な限り痛みを意識
の外に押しやり、戦闘に集中する。
 ものの数秒で立ち上がり、上空を見上げる――白塵が晴れた先に、風騎士の姿。
「――来る」
 同時――血走った眼差しのエリザが、兆速で飛来した。
 傭兵――横転して避けざまに蹴りの返礼――槍の柄で受けられた反動で後転――連
続して後退する。高速で突き出された穂先が、大地にいくつもの穴を穿つ。
「死んでしまえぇぇッ!!」
 大振りの一撃――紙一重でかわし、傭兵はふところへと飛び込んでいく。短剣を引
き抜き、二撃、三撃。重厚な鎧でほとんどを防がれたが、隙間を狙って繰り出された
一撃がエリザの肘関節を刺し貫く。
「く、くそ……」
 痛みからか、エリザの眼差しに冷静さが戻った。力の入らない腕をかばい、傭兵から距離をとる。そこに慢心や油断はない――生粋の戦士の眼差し。
 ――この男は、できる。
 最初にあった傭兵に対する侮りは、もうそこにはない。
「ふん……もう少し、効くかと思ったんだがな……」
 戦闘中に生じた空隙――あばらを押さえて、傭兵は苦笑した。
 肌で感じる――ここまでは前哨戦にすぎない。
「……いくぞ」
 ここから先、互いに全力――どちらも無事では済むまい。
 敵のことを想い、傭兵は電光石火の動きで大地を蹴った。

 ――完膚なきまでに叩きのめす。

06151729 Day43 -颶風-

   -ⅰ-

 ――傭兵の手から、短剣がこぼれ落ちた。

 むせかえるような血の臭い。どれほど殺し、どれほどの傷を負ったのか。
 身体が力を失い、硬い洞穴の床に前のめりに倒れこむ。緩く傾斜した地面、重力に
引かれるようにして、傭兵の身体は転がった。上も下も分からず、ただ転がるたびに
全身が鈍く痛み、肌に傷だけが増えていく。
 ようやく大岩に叩きつけられる形で、傭兵の身体は転がることを止めた。覚悟した
よりも衝撃が少なかったのは、運が良かったからではない。間に入ってクッションと
なる存在があったからだ。
 闇と同じ暗さの羽を持つ梟――ダークウイング。傭兵の背に爪を突きたてたまま、
岩に叩きつけられてそれは息絶えていた。
 カラン――乾いた音をたてて、取りこぼした短剣が眼前に遅れて転がり落ちた。
「……オ゛、オ゛、オ゛!!」
 獣じみた唸りをあげて傭兵は短剣に手を伸ばし、掴むと同時に一閃。背に負った闇
梟の爪を切断した。先端は体内に残したまま今度は自力でその場から転がり動く。
「ホッホウ!!」
 滑空してきた闇梟三羽の連続攻撃に、残された死骸がずたずたに引き裂かれた。闇
梟の空襲撃は骨をも砕く――まともに受けて、無事に済むことはできない。
「……ホウ?」
 最も低空を飛んでいた一羽に、下からの一撃を加えた。傭兵と闇梟を短剣が取り結
んだ。歯を食いしばって腕を伸ばし、闇梟の翼を掴む。万力をこめて手羽元を握り、
引き裂くようにしてへし折った。
「……ぐ!」
 片翼を失った闇梟は哀れにも大地を転がった。その反動で短剣が抜けて、傭兵は闇
梟から振り落とされる。咄嗟に短剣を地面に突き立てて、距離が離れることを避ける。
「……ッ」
 血混じりの泡を吐き捨てて、傭兵は前傾姿勢に闇梟へと突っ込んだ。残る二羽の闇
梟が、空中から傭兵を狙うが頓着しない。迷いもなく走れば、そうそうに中るもので
はない。いや、中るなどということを考えてはいられない。
「……コォ!」
 飛び込むようにして、闇梟にしがみついた。首に腕をまわし、締め上げながら、短
剣を心の臓へと何度となく突き立てる。悲鳴をあげながら、闇梟はもがき苦しんだ。
闇の波動を発し、洞穴の闇を誘う――闇の中に逃れようと、足掻く。
 だが、その願いはかなわず、闇梟はやがて傭兵の腕の中で動かなくなっていった。
物体へと変わりゆくそれを投げ出し、傭兵は這うようにして岩陰に身を隠す。
「……残り……いくつだ……」
 自分の身体をまさぐり、傷の具合を確かめる。片足の感覚がほとんどなく、指先で
触れると泥濘に手を突っ込んだかのような触感とともに、甘く痺れるような衝撃があ
った。闇梟の爪に、深く抉られたのだ。傷は浅くない。
「ホウッ!」
「ホッホウ!」
 残された闇梟は先ほどから岩の上を旋回している。傭兵を見失っているのだ。散乱
する亡骸と、仲間を奪われた怒りが化け物から冷静さを奪っていた。闇を見通すその
視覚も、曇っていては役に立たない。
「……あれで、全て、か」
 傭兵が岩陰に身を隠し、少なくない時間が過ぎたが、闇梟の数に増える様子はなか
った。もう、この洞穴に巣くう闇梟は、二羽だけしかいない。
「……残り、二羽」
 残る死力を振り絞るつもりで――ゆらり――傭兵は立ち上がった。
「ホォォォォォォォオウ!!!」
 即座にそれを発見した闇梟が怒りの声をあげた。狙いも何もなく、弾丸のように傭
兵へと飛び込んでいった。翼が空気を打つ度に、パシンパシンと裂帛の音が響く。
「――ふん」
 その眉間に銀刀が突き立ち、飛ぶ勢いのまま闇梟は大地にぶつかった。大きくバウ
ンドし、闇色の羽毛を撒き散らしながら洞穴の奥へと姿を消した。その命がすでにな
いことは、火を見るよりも明らかだ。
「……残り、いち」
 憔悴した声でつぶやき、頭上に羽ばたく闇梟を見上げた。
「……覚悟を、決めたか」
 梟とは思えない剣呑なその眼差しを正面から見据えて、毒づく。
 闇梟の双眸――それは戦士の眼をしていた。曇っていない、戦う者の眼だ。仲間を
失い、最後の一羽となったとき、闇梟の化け物の心にも何かが芽生えていた。
 高潔な戦士だけが持ち得るその境地を、傭兵は覚悟という言葉で表した。
「……ホウ」
 小さく、だが力強く――啼くと、闇梟はその場を飛び去っていった。
「……風の、流れ」
 傭兵を先導するように飛ぶ闇梟の進む先から、鬼気をはらむ風が吹いている。
 片足を引き摺るようにして、傭兵は闇梟の後を追った。

つづきはこちら

06151724 Day42 -静闇-

   -ⅰ-

 見上げるほどに巨大な洞穴の前に最後の石碑はあった。
 陽の光に照らされたそれは、まるで墓標のようだと傭兵は思う。

 幾多の冒険者を見送った、道標。

「……ちっ」

 墓標――自身の連想に、胸の奥で何かが傷んだ。
 忘れたつもりで忘れられぬもの――失った仲間たち、失った師。

 うずくもの――ヘドロのようにこびりついた己の記憶。

 墓もなく散った彼らは、彼の手で逝った彼女は、安らかに眠れているだろうか。

「……また、か」

 不要な感傷を振り払おうと息を吐く――耳元で、声がする。

 ――それは、近く、遠く。
 ――それは、幼く、老い。
 ――それは、男であり女。

 ――それは、力強い空ろ。

 出所も分からないその声は、傭兵の頭の中に直接響いている。

『女神……』

 何者にも媚びない決意を滲ませた女の、凛とした声がする。

『熱血……』

 何か重荷に耐えかねている男の、燃え盛るような声がした。

『魔王……』

 全てを手に入れようとした女の、悲しみに啜り泣く声が響く。

『……物語の始まりを形作る守護者を思い描け……』

 少年とも少女ともつかない声が、断ずるように言う。

 傭兵はその声を知っている。

 この島に初めて辿り着いた日から、声は彼と共にあった。

『――道はその守護者が与えるだろう』

 そう言って、声はぷつりと唐突に途切れた。

「……く」

 洞穴からオオオと雄叫びのような声が聞こえ、我に返る。

 傭兵はふと、墓標に祈りをささげるように膝をついた自身に気づいた。
 どれほどの間そうしていたのか――あたりはすっかり闇に沈みかけていた。

 まだ、陽の高いうちに辿り着いていたはずだのに。

「……時間を失った」

 目を閉じ、嘆くように嘆息する。土を払い、立ち上がった。
 
「これが、最後だから、か」

 三度目の問いかけ――このように時間が飛んだのは初めての体験だった。

 なかば風化した石碑を見下ろし、その表面に描かれた絵を見やる。
 ざらついた表面――逞しい男の両脇に、二人の女を描かれている。

「……何を、決めろというんだ」

 吐き捨てる――よく観察すれば、大剣を手にした男は片側の女と向き合っている。

 ――女と向き合い、振り上げた大剣の下ろしどころを失った戦士。

 ベールで顔を隠した細面の女――おそらくは、魔王。

 ――戦士と向き合い、自分の首を差し出している罪人の姿勢。

 残され、ひとりたたずむ者――背を向けた女神。

 ――眼差しは遠く、女神と呼ぶには物々しい武装の女戦士。

「……これは、英雄ではないのか?」

 どのような物語か――最初に見た石像とはいささか違える部分があった。

「それにしても……」

 似ている――その言葉を飲み込んで、最後の女をまじまじと見やる。

 髪は短い――色は褪せているが、元は赤で髪が描かれていたようだ。

「……」

 見据える。短剣を両の手に構えた、民族風の女戦士の姿を。
 己の師と、戦友とも呼べる女傭兵に似た佇まいのその女を。

「――くだらん」

 吐き捨て、視線を外すと、傭兵は歩き出した。
 風の息吹を吐き出す洞穴へと――すでに闇が支配したその世界へと。

 闇に潜むのは魔王――囚われの身は女神と、相場が決まっている。

 口の端で笑い、傭兵は振り返らずに洞穴へと踏み込んでいった。

 風の息吹が聞こえる。

 ――ならば、女神の加護を得るのが妥当だろう。

 ――傭兵の姿が闇の中に消え、音さえもこの世から消失した。

つづきはこちら

06151721 Day41 -砂海-

   -ⅰ-

 風に吹かれて流れる砂を追うように、傭兵は砂の海を歩いていた。
 砂海――広大な砂漠は、海になぞらえてそう呼ばれることもある。

 風に吹かれてさらさらと流れる砂は、ときおり傭兵の足元を滑らせた。
 一歩ごとに爪先が砂に沈み込み、砂を蹴り上げて歩くため常以上の力を必要とする。

 照りつける熱線は旅人の体力を奪い、あらかた力尽きた頃に極寒の夜がくる。
 そうして多くの旅人が、朝を迎えることなく砂漠で息絶えるのだ。

 その亡骸は、流れゆく砂流に飲み込まれ、表に出ることはない。
 時として、何十年も昔の亡骸が、半ばミイラと化して地表に現れることがあった。

「……」

 砂漠を一人で渡ることは、死にに行くようなものだと語る者も多い。

 熱中症にかかった頭は方向感覚を失い、徐々に砂漠の中枢へと導かれるためだ。

 円周へと向かっているつもりの旅人が、その実、砂漠の深奥を目指して進んでいた
などということはざらにある。

 所詮、人の感覚など、そうあてになるものではない。

「……」

 極力、声を漏らさず、日射を遮りながら進む傭兵の選択は正しい。
 尋常な熱ではないのだ。暑いからと薄着になるのは、自殺行為である。

 傭兵のように厚い外套を羽織って、日射を遮断しなければならない。

 肌を露出した結果、尋常ではない日焼け――もはや火傷を負って、リタイアする者
も多い。
 豊富な紫外線は、健康を害するもとにもなる。

 旅人の感覚を惑わせるもののひとつは、延々と変わらない砂漠の風景であろう。
 遥か彼方には砂海の水平線が、ぐるりと360度世界を取り囲んでいる。

 風化し、粉々に砕け、さらさらと肌理細やかになった砂以外のものはなにひとつと
してない。
 夜になれば、砂漠に住む昆虫や、獣を見かけることもできたが、日中はその全てが
砂中で熱を凌いでいるのである。

「……くそ、たまらないな」

 一度は砂漠を抜けて遺跡の回廊に入り、澱んではいるが涼やかな空気に息を吐いた。

 最初の石碑を見つけてから半日以上の時間が経過している。

 行程は五割といったところ。明日の昼までには、次の回廊に辿り着いていたかった。

 昼を過ぎれば再び、灼熱地獄と化した砂漠を往く羽目に陥るのだ。

「……?」

 柔らかな砂を踏みしだいていた足が、堅い何かに触れた。

 明らかに砂とは違う感触が足元にある。

「……なんだ?」

 陽は傾き、暑さはいくらか軽減されていた。

 しゃがみこんで、砂を払う――割れた石版が姿を現した。

 文字が意味となって伝わってくる。

『――伝承者たちは……』

「……これは」

 頭のうちに流れる少年の声――つい最近、同じ声を聞いている。

 どこか遠い少年の声――おそらくは、聖人と呼ばれる者の声。

「……このあたりに、何かあるのか?」

 立ち止まることで気づいた。

 周囲には砕けた岩が散乱し、それらはもともと人工物であったらしい。

 ――どこかに完全な状態のものはないか?

 一時、傭兵は暑さを忘れて、周囲を見渡しながら探索を開始した。

つづきはこちら